喜連川少年院の参観

2018年8月6日

勉強会メンバーと共に、栃木県にある男子少年院「喜連川少年院」を訪問してきました。現在、大規模改修工事中にて、収容調整を行っているとのこと。運動場を始め、一部シートに覆われた箇所がありました。

今回は医務課長さんにご協力いただき、矯正教育や施設概況に加え、少年院における医務課の役割や、医療と教育の関係についてもお話しをいただきました。

大きな特色としては、通信制高校のスクーリング教場の設置(昭和46年から)です。少年院に在院すると同時に、通信制高校在籍という身分が得られます。現在、少年院では教科指導や修学支援が充実しつつありますが、リアルな高校レベルの授業を受ける機会として特色のある教育といってよいのではないかと思いました。

実際の少年の学力とのバランス、補習環境の整備、退院後の在籍継続など、

いくつかの課題はありそうですが、「在籍」がもつ(在院による)「空白期間に対する説明力」という点では、スティグマ問題に寄与しそうです。

学習支援に対する外部資源(外部協力者など)の程度にもよるのかもしれません。

施設内は通路脇に園芸部がお世話をしている花々が咲き誇っていました。

この酷暑のせいで、一部枯れているところもありましたが、

それがごく一部で済んでいるのは、園芸部に所属する少年の頑張りのおかげだろうと思います。

特に、今回は、医務課からのお話しを伺えたことで、

身体を中心とした課題に気づかされました。

養育環境の課題は、少年の心だけではなく、その発育に大きな影響を及ぼします。

「子どもの貧困問題」でも、経済的不利益が将来的な健康被害を引き起こしているという指摘がありますが、同じことは少年たちにも起こっているようです。

根本的な身体づくりを通して、自分を大切にすること、他者を大切にすることを学ぶ。少年院生活の至る所に、そうした教育的な気づきのチャンスがあることに、改めて気づかされました。

社会復帰支援のあり方勉強会

「社会復帰支援のあり方勉強会」は、非行少年の学校や地域社会への復帰に向けた支援について勉強しています。非行少年は、当該非行に加えて貧困や虐待などの様々な問題を抱えています。司法・福祉・教育の枠組みを超えた、どのような支援・連携が可能なのかを考えています。 保護司・保護観察官・スクールソーシャルワーカー・研究者、大学院生など、様々な立場の方が参加しています。

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